腎臓

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腎臓に関する疾患について

代表的な疾患

腎臓における有害物質と老廃物の濾過、必要な成分の再吸収の結果が尿となっ て体外に排出されます。生体の内部環境が健全に保たれるのは、尿の生成と排泄により血液などの体液の状態が一定の範囲に保たれるからです。健康診断では、 必ずと言っていい程その尿の検査があります。その成分、量などを調べることで、腎臓だけでなく尿路系、心臓、肝臓などのさまざまな臓器・器官に起きている 異常を検索できるのです。近年においては、食生活によって腎臓はかなりダメージを受けているとも言われ、また、腎臓は他の臓器と違って、1度悪くすると治 りません。そのような腎臓の代表的な疾患について扱っていきます。

尿検査でわかること

尿検査では

  1. 肉眼的検査
  2. 尿試験紙検査
  3. 顕微鏡検査
  4. 生化学的検査
  5. 負荷試験

などが行なわれます。脱水症状のときは尿量は減り、尿崩症になれば多くなります。混濁した尿は膿尿かリン酸塩結晶を多く含んだものであり、あわがしばらく消えないときは高濃度のタンパクが含まれているためで、ネフローゼ症候群などが疑われます。赤い尿は腎臓から尿道までの経路での病気が反映しているものと推測されます。もちろん、それらは健康な場合でも(程度にもよりますが)現れることがありますので、まずそれで疑わしい症例について精密検査を行なうことになります。

代表的な腎臓疾患

病名 症状、特徴
腎結石 尿中のカルシウム、マグネシウム、尿酸などが腎臓で結石となり、尿管や膀胱などにつまって激しい痛みを起こす病気です。痛みは激しく、尿はにごり、血尿になることが多くみられます。
結石がある部分によって、腎杯結石、腎盂結石、尿管結石、膀胱結石などの名前がついていますが、尿管結石のほとんどは初めに腎杯か腎盂にできた結石が尿の 流れで落ちてきたものです。また、膀胱結石には、尿管から落ちてきたものが大きくなったものや、初めから膀胱内でできたもの、虫など何らかの異物が膀胱に 入ってそれが核となって結石となったものなどがあります。
症状は、激しく強い痛みを伴いますが、痛みのない場合もあります。痛みの原因は、結石による尿の流れの阻害ですから、尿の流れが阻害されなければそれほど 痛みません。七転八倒するほどの痛みは、尿管結石のケースに多く、腎盂や腎杯の中にある時は、痛みがあっても軽い鈍痛程度のものでしょう。
尿の中には、さまざまな物質が溶けているため、それが何らかの理由で結晶化すると、それが核になって結石ができます。なぜ結石ができるのかはよくわかっていませんが、予防策としては水分を多く摂ることやカルシウムの摂り過ぎに注意することなどが挙げられます。
ネフローゼ症候群 大量のたんぱくが尿中にでてしまうことによっておこります。非常に強いむくみがでます。また再発を繰り返しやすいのも特徴です。
膠原病や糖尿病などが原因で糸球体に異常が起きる続発性ネフローゼ症候群と、原因不明の原発性ネフローゼ症候群の2つのタイプがあります。原発性ネフローゼ症候群は全体の80%を占め、子供の場合は90%以上を占めています。
腎不全 糸球体腎炎などの病気で、血液を濾過する「糸球体」の網の目がつまってしま うと腎臓の機能がおち、生態内部の水分や電解質などさまざまな条件をバランスよく維持することができなくなります。腎臓の働きが正常の30%以下に低下し た状態を腎不全といいます。病状が進行し、せん妄など意識障害が進行した状態を、「尿毒症」といいます。 腎に入る血液量が低下して、尿が濃縮し少量となり血中に尿素窒素が再吸収され高窒素血症となったものが続き、腎が虚血となって萎縮する「腎前性腎不全」、 さまざまな疾患により腎自体の病変が進行し腎不全となる「腎実質性腎不全」などがあります。
膀胱炎 頻繁に尿意を催すのに出る量がほんの少しであったり、あるいは排尿の時しみるような痛みを伴います。大腸菌などの細菌が膀胱に侵入して、炎症を起こします。比較的女性に多くみられるのは、男性に比べて尿道が4cmと短く、尿道口が肛門に近いので、細菌が入りやすい体の構造になっているからです。