膵臓は胃の裏側にある臓器で、強力な消化酵素をつくり、またインスリンやグ ルカゴンを内分泌して血液中の糖の量を調節します。肝臓とともに消化器系に付属する2大消化腺のひとつとされています。ちなみに膵臓(すいぞう)の「膵」 という字は、江戸後期に蘭医の宇田川榛斎(しんさい)が考案し、逆に中国に輸出されたものです。他にはリンパ腺(せん)の腺などもあります。今回は、膵臓 について取り扱っていきたいと思います。
また、膵臓に関する疾患についてはこちらで紹介していますので、併せてご覧ください。
長さ | 約15cm | |
頭部の厚さ | 約3cm | |
重さ | 約70~100g | |
膵臓の位置胃の背側、第1・第2腰椎の腹側にある腹膜の後ろの臓器。C字形に屈曲する十二指腸が膵頭部を抱きかかえるようにしています。 |
膵臓は膵液をつくって外部(十二指腸)に向け分泌する(外分泌)部分と、インスリンやグルカゴンといったホル モンを血液中に分泌する(内分泌)部分とに分けられます。内分泌細胞群は、外分泌細胞群のなかに球状の島のように分布していることから膵島(又はランゲル ハンス島)と呼ばれます。
膵臓にはタンパク質・脂質・炭水化物(でんぷん)の消化を助ける酵素を作る役割があります。これらの酵素は膵 臓の管から十二指腸に送られ、消化を助けます。膵臓はもう一つ、血液の中の糖分をコントロールするホルモンを作り出し、血液中の糖分が高くなったり低く なったりしないように調節する役割を持っています。血液の中の糖分はグリコーゲンという物質に変わって肝臓で蓄えられ、エネルギーとなります。そのホルモ ンの中で代表的なものにインスリンがあります。インスリンはブドウ糖が筋やそのほかの組織にとりこまれ、利用されるのを促進し、血糖値を下げます。またグ ルカゴンは肝臓のグリコーゲンの分解を促進して血糖値を高めます。