膵臓

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膵臓に関する疾患について

代表的な疾患

膵臓は体の奥深くにある臓器なので、その診断は難しいとされてきましたが、 最近では診断技術の進歩により、飛躍的に予後が良くなってきています。膵臓から分泌される消化液(膵液)は、弱アルカリ性なので、胃酸を中和する働きがあ り、炭水化物やたんぱく質、そして脂肪を分解するさまざまの酵素を含んでいます。膵臓は消化酵素を分泌していても、ふだんは自分自身を消化しません。トリ プシンといったたんぱく質分解酵素などは不活性な形で分泌されて、その後、小腸ではじめて活性をもつからです。ですが、膵管が塞がったりしていったん膵臓 が炎症を起したりすると、膵臓は自身を消化し始めます。膵炎が治りにくいのはこのためです。こちらでは膵臓の疾患について取り扱っていきます。

食事との関係

膵臓については、意外と知られていないのではないでしょうか。消化を助ける膵液、そして体がエネルギーを利用するために不可欠なホルモンを分泌する膵臓は、食事や飲酒の影響で発症することが多いのです。
膵炎などでは、食事は脂肪を控えて高タンパク質、消化吸収がよいものが適しています。
(脂質は膵液の分泌を促進し、膵臓に負担をかけ、タンパク質は傷付いた膵臓の修復に使われます。)糖質と動物性タンパク質を中心に食事を構成し、油などは 植物性のものにするとよいでしょう。大豆、鶏のささみ、白身の魚などのタンパク質の多い食品を多く摂取しましょう。 ゆでる、蒸す、煮るといった油をあまり使わない調理法や、うす味を心掛け、膵臓に負担をかけないようにします。コーヒー、香辛料、煙草は胃液分泌を促進す るのでなるべく避けましょう。 (脂質で言えば、一日に脂質を30~40g以下にし、1食につき10g前後が目安になります。)
さらにアルコールも禁止です。
ただし、脂肪の制限によって脂溶性ビタミン(ビタミン)が不足しがちですので、脂溶性ビタミンを十分に摂るように注意しましょう。
あとはやはり適度な運動を心がけたいものです。

代表的な膵臓疾患

病名 症状、特徴
膵炎 急性膵炎は激しい腹痛が突然におこりますが、発病の引き金としては胆石症が最も多い原因と言われます。
これは胆石が膵臓の出口を塞ぎ膵液の流れを妨げるためです。また過度な飲酒が原因となることも多く慢性膵炎の原因の多くはアルコールによるものです。 そのほかにも上腹部の外傷・高脂血症・感染・薬剤によるものなどがありますが、原因が解らないものもあり暴飲暴食(特に空腹時)によって見られることが多 いとも言われます。
膵臓がん がんのなかでも、もっとも死亡率の高いがんのひとつです。もともと、日本人に少ないがんでしたが、最近は増加傾向にあります。女性に比べて男性の死亡者数が多いのは、飲酒や喫煙に原因があるとも考えられています。
症状として、上腹部の重圧感や鈍痛があります。また食欲が減退して痩せてきます。
膵臓はその20%が残っていれば機能を果たすことができるので、悪性ではなく、かつ転移が認められなければ、外科手術による切除によってほぼ完全に治すことができます。
糖尿病 端的に述べると、食物として取り入れられた栄養素が体の中でうまく利用されないために、血液の中に含まれるグルコース(ブドウ糖)の量(血糖値)が異常に多くなっている状態です。
糖尿病は「生活習慣病」といわれ、日常の生活習慣が誘因となって発病します。食べすぎ、運動不足、ストレス、アルコールの飲みすぎなど、糖尿病を招く要因はさまざまで、そのどれもが心当たりのあるものではないでしょうか。
自覚症状がないため、放置されやすいのも特徴ですが、進行すると高血糖は全身のさなざまな臓器に障害をもたらします。神経障害、眼球の網膜が障害される網膜症、腎臓の機能が低下する腎症の三つが起こりやすく、これらを三大合併症と呼んでいます。