自分の身体を知る

データ・機能

胃は消化管の一つであり、上腹部に存在し、肋骨の下にあります。胃の入り口は食道と連結しており、出口は小腸とつながっています。 古来、胃は牛の角の形に擬せられ「牛角胃」といった表現で、その形状を呼ばれることがあります。食物が胃に入った際には、それを混ぜてつぶすために収縮したり弛緩したりといった規則的な運動(1分間に3~5回)を繰り返します。この動きは 蠕動(ぜんどう)と呼ばれます。同時に胃の内側に存在する胃腺で作られた胃液により、食物の消化が進みます。約3時間後に、食べたものは水様になり小腸に送り出され、そこでさらに消化が続きます。
また、胃に関する疾患についてはこちらで紹介していますので、併せてご覧ください。

胃の参考データ

大きさ 大彎(だいわん・下図参照)約49cm
小彎(しょうわん・下図参照)約13cm
容量 約1,200~1,600ml
食物の通過時間 約1~3時間
(油っこいものほど長くなる)
胃液の分泌量 一日当たり約1,500~2,500ml
蠕動(ぜんどう)の移動速度 1秒間に約2~6mm

胃の位置

胸部と腹部の境界は横隔膜です。大きな鍋をひっくりかえした形の横隔膜の下の右半分を、体内で最大の臓器である肝臓が占め、左半分には胃、さらに左には脾臓があります。それらの下側には小腸、大腸、膀胱があり、背側に腎臓があります。

胃の構造

基本的には3層の平滑筋からできた袋です。もっとも内側は筋繊維が斜めに走る斜走筋、いちばん外側は胃の長軸方向に走る縦走筋で、その内外の筋肉の間には、輪切りの方向の繊維による輪状筋があります。輪状筋はとくに幽門で発達して幽門括約筋となる。これら筋層の内張りをするのが粘膜(粘膜上皮、粘膜固有層、粘膜筋板)と粘膜下組織で、筋層の外側を漿膜と腹膜が包んでいます。胃潰瘍、およびガンなどの悪性腫瘍は、ほとんどすべて粘膜にはじまり、漿膜の方へと拡大してゆきます。

胃の働き

胃の主な機能は、

a. 食物を混ぜる
b. 食物を一時的に蓄える
c. 胃液の分泌
d. 水分、アルコール、糖の吸収
e. 小腸へ食物を送りだす

といった一連の動き・作用に代表されます。
第一の働きは、食道からおりてきた食物を一時的にためて、小腸(十二指腸)での消化具合に応じて送りだす、といった貯蔵庫の役割。第二に、食物と胃液をよく混ぜ合わせる〈攪拌器〉の役割があります。
胃液は、胃酸やペプシノーゲン、粘液などを含んでおり、ペプシノーゲンは酸によってペプシンという消化酵素となり、タンパク質を消化します。粘液によって胃粘膜は保護されます。。

胃に関する疾患について