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眼に関する疾患について

代表的な疾患

近年は眼の疾患でよく耳にするものに「ドライアイ」があります。目の疲れの原因がよくわからず、眼がごろごろする、重たい感じがする、目が開きにくい、まばたきの回数が多いなどの自覚症状があれば、ドライアイを疑う必要があります。これらの症状は冬の乾燥した時期に気づくことが多いのですが、ただの疲れ目だと見すごしてしまう場合が多いのです。この他にも眼に関しては身近な疾患が多いのではないでしょうか。近視や遠視もその一つで、屈折異常と総称されています。結膜炎やブドウ膜炎などの炎症に白内障や、緑内障などもあります。ただ眼がかすんだだけ、ではすまない場合もあるということなのです。

眼がかすむ

ものを見るときには、通常、視線の方向にあるものがもっとも明瞭に見え、視線から外れたものほど見えにくい。 このもっとも明瞭にものが見える視力を中心視力(一般的には視力)といい、眼がかすむ(ぼける)という状態は、何らかの原因で視力が落ち、視力が1.0に 満たない場合に現れる症状です。
視力は対象物からの光刺激が、角膜、水晶体、硝子体といった透明な組織を通って網膜に正しく結像することによって得られます。この経路のどこかに障害が起こることによって眼がかすむ(ぼける)のです。原因としては以下のものがあげられます。

  • 角膜の歪み、にごり
  • 水晶体のにごり(白内障)
  • 硝子体出血
  • 網膜の一部に出血、白斑(網膜組織の壊死巣や沈着物など)、むくみなど
  • 視神経の障害(緑内障)。

  • 視覚の発達は、6~8歳までに完成する。視覚の未発達な時期の眼帯は、視覚障害の原因となることがあります。
  • 緑内障になりやすい人として、糖尿病にかかっている、近視が強い、家族に緑内障の人がいる、などがあげられます

視力について

視力検査をするときには、「C」のような形をよく見かけます。すきまがあいている所を上、下、左、右と声に出したり指を指したりで答えていくアレです。そのあいている部分が見えるかどうかで視力が1.0とか0.5とか判定しています。では1.0や0.5というのはどのように決めているのでしょうか?

あの「C」のマークは正式には「ランドルト環」といいます。フランスのランドルトが考えた検査方法です。5メートル離れた位置から直径が7.5ミリ、すきまが直径の5分の1、つまり1.5ミリの環が見えたら視力1.0としています。

では、他の0.5や1.2という視力はどのような基準になっているのかというと、右の図の大きさのランドルト環を見るのに距離を5メートルから半分の2.5メートルにしないと見えない場合は、視力も半分の0.5になります。逆に1.2倍後ろにさがっても見える場合は1.2となるのです。実際には距離を変えながら検査するのは大変なので、ランドルト環の大きさを変えて検査しています。

色盲とは?

まず初めに述べておきたいのは、「色盲」という言葉がかつては差別的ニュアンスをもって使用されていたことがあるというものです。そのため言葉を換えて 「色覚異常」という表現を正しいとする向きもあったのですが、結局はこれも異常という言葉によって、「正常ではない」という意味を持ってしまっています。 「色盲」には単純に特定の色覚がないことを指しており、それが学術的見解に沿ったものであり、客観的な表現であるという認識に基づいてここでは使用してお ります。

さて、先にも述べましたが、網膜には光を電気信号に変換する視細胞があり、視細胞には形態・機能の異なる、杆体細胞と錐体細胞があります。ヒトやアジア、 アフリカに住むサルの網膜の錐体は普通3種類あって、サルやヒトが色を見ることができるのはこの3種類の錐体の活動の違いによって光の波長を区別できるか らです。網膜のレベルでは赤と緑の組み合わせから黄が検出され、大脳皮質でさらにいろいろな色味の抽出が行われます。赤と緑の視物質(視細胞の外節の中に 含まれていて,光が当ると変化する物質)遺伝子はX染色体上にあり、ヒトではまれにその1つが欠損し、2色性色覚(色盲)となります。

日本人男性の20人に1人は赤緑色盲です(女性では500人に1人)。赤緑の色の組み合わせや暗い背景に赤の文字などの表示は赤緑色盲では非常に見にくくなります。

Vischeck color blindness simulator:2色型色覚を経験するシミュレーションソフト

代表的な眼疾患

病名 症状・特徴
屈折異常
  1. 近視:眼軸(角膜から網膜までの長さ)が長過ぎたり(軸性近視)、角膜や水晶体の屈折力が強過ぎて(屈折性近視)、遠くからの光線は中心窩(網膜の中心部、もっとも鋭敏な箇所)の手前で結像する。
  2. 遠視:眼軸が短過ぎたり、角膜や水晶体の屈折力が弱過ぎて、遠近両方の光線が網膜の後方で結像する。近くのものも遠くのものもぼやけてしまう。
  3. 乱視:角膜の横軸と縦軸のカーブが異なるため、角膜球面が均一にならず、光が複雑に屈折し、中心窩に結像しない。
斜視 両眼の視線が正しく見る目標に向かわず、視線がそろわないもの。斜視の半数は、1才以内におこり、それを乳児 斜視と呼び、6ヶ月以内におこるものを先天斜視と呼びます。また、斜視にはその寄り方によって内側(鼻側)に寄る内斜視(より目)、外側(耳側)に寄る外 斜視(はずれ目)、上にずれる上斜視、下にずれる下斜視と呼んでいます。斜視の原因としては、眼球側(例えば目を動かす筋肉、骨、その周辺の組織等)の異 常であったり、中枢性(眼球を動かす神経の中枢)の異常であったり、眼底側の異常や遺伝性のこともあり、身体的、心理的なこともその原因となることがあり ます。
炎症
  1. 結膜炎:結膜は涙で常に潤い、細菌などの異物の侵入を防いでいますが、多くの細菌にさらされたり、睡眠不足、過労などで抵抗力が落ちているときに は、炎症を起こすことがあります。それを結膜炎とよんでいます。結膜炎には「流行性角結膜炎(はやり目)」「咽頭結膜熱(プール熱)」「急性出血性結膜 炎」「細菌性結膜炎」「アレルギー性結膜炎」などがあります。症状は結膜炎を起こす原因によって異なりますが、共通する症状として白目の充血、目ヤニなど が起こります
  2. ブドウ膜炎:ブドウ膜とは、虹彩・毛様体・脈絡膜を合わせた呼び方で、その色調や硝子体を袋状に包んでいる形が果物のブドウによく似ており、この ような呼び名となっているといわれている、色素と血管の多い膜です。リウマチなど何らかの疾病に合併したり、あるいは原因不明でブドウ膜に炎症が起きる と、その部位によって各種の症状と多彩な合併症が生じる

などがあります。

緑内障 眼の中の圧力(眼圧)が高くなり、眼内の血液循環が悪くなって視神経が障害され、視野異常や視力低下をおこす 病気ですが、眼圧が正常値内であっても発症する例もあります。眼圧は、房水という透明な液体が循環することで、正常な眼圧を保っています。房水は毛様体と いうところでつくられ、後房から前房を経て隅角にある房水排出口から眼の外に流れるという循環経路をとっています。この排出経路が通りにくくなると、房水 がたまりすぎて眼圧が高くなり緑内障がおこります。日本では失明原因の第二位です。
白内障 水晶体が濁ってきてしまい、光がうまく通らず、物の見え方が悪くなってしまいます。白内障の原因はたくさんあ りますが、最も多いのは加齢によるものです。年齢とともに水晶体が白く濁っていくのです。これは、髪の毛が白くなっていくのと同じ老化現象で、完全に予防 することはできません。老人性白内障という名前で呼ばれています。また、遺伝、糖尿病、活性酸素など様々な要因があります。さらに、合成化学物質が白内障 を誘発するようですが、近年の医薬品の場合安全性試験が必須ですから、この試験で白内障を起こす薬物は世に出ていないと思われます。
危険なタイプの頭痛
痛む場所 痛みの特徴 誘因 随伴症状 考えられる原因
後頭部を中心
とした頭全体
最初から経験したことのないはげしい痛みが一瞬にして出る 過労、高血圧など 吐き気、意識障害、首すじの強直 クモ膜下出血
特定できない 反復する発作にともなう痛みで、それほど強くはない 動脈硬化、高血圧、糖尿病など とつぜん出現する神経麻痺 脳硬塞
特定できない とつぜん出現するはげしい痛み 高血圧など めまい、感覚障害、神経麻痺、意識障害 脳出血
特定できない 起床前に痛み、起床後はやわらぐ、嘔吐すると軽くなる、日増しに強まる鈍い痛み いきむとき(痛みがはげしくなる)など 吐き気、嘔吐、てんかん症状 脳腫瘍
前頭部 眼痛にともなう痛み 眼圧上昇 結膜の充血、瞳孔が開く、吐き気 急性緑内障にともなう頭痛

頭痛の治療に使う薬には、事前から痛みが起きないようにするもの(予防薬)と、痛みが出てから抑えるもの(治 療薬)があります。どちらの薬が自分に合うかは、診断や症状、体質によって異なります。市販の薬剤を購入する際には文面だけで判断せず、ちゃんと専門医に 相談して自分に合った薬を見つけるのがいいでしょう

代表的な脳疾患

今まで、脳疾患の早期発見には有効な診断法がなかったのですが、MRI・MRAにより容易に診断できるようになっています。

病名 症状・特徴
脳卒中 脳血管が破れたり詰まることによって起こる病気の総称で、発症すると、手足が動かなくなったり意識がなくなったりといった症状が現れます。代表的なものに、血管が詰まって起こる「脳梗塞」、血管が破れて起こる「脳(内)出血」「クモ膜下出血」があります。
脳硬塞 脳血管が血栓(脳内の血管にできた血の塊がつまること)や塞栓(血の塊が 血流に乗って脳内血管につまること)によって、そこから先の脳組織に血液がいかなくなるために、手足が動かなくなったり、意識がなくなったりします。その 症状は人により異なりますが、痴呆、まひなどの深刻な症状ばかりで、ガンや心臓病についで患者数の多い国民病の1つです。日本人の痴呆は脳梗塞が原因に なっていることが多く、予防が可能です。
脳腫瘍 脳、髄膜、脳血管など頭蓋内のさまざまな組織にできるすべての腫瘍をまとめて脳腫瘍といいます。
大きく分けると
  1. 脳そのものからできるもの
  2. 頭蓋骨内の脳以外の組織からできるもの
  3. 生まれつきのもの
などがあります。脳腫瘍にはいろいろな種類があり、種類によって発症しやすい年齢、性別、好発部位が決まっています。医療の進歩により、手術を含めた治療 法が大幅に改善していますが、悪性の経過をたどるものが少なくなく、近年では手術用顕微鏡で患部の細部を見ながらち密に手術をすすめるマイクロサージェ リー、レーザーメスや超音波吸引器などの技術が進歩してきており、5年生存率の引き上げに貢献しています。

イチョウ葉エキスが脳を活性化する

「最近どうも物忘れがひどくなった」「何に対しても好奇心がわかなくなった」「学習能力に衰えがでてきた」という自覚がありませんか?
アメリカでは、脳を活性化させ、子供からお年寄りまで、心身ともに若返る健康食品として「イチョウ葉エキス」のブームが起き、急激な市場になっています。 イチョウ葉には脳の血流障害を防ぐ「ギンコライド」「ビロバライド」といった、特有の成分が含まれていて、脳卒中の元となる動脈硬化を防ぐ効果を期待され ています。ドイツ・フランスでは、30年も前から医薬品として認可されているほどです。

脳の疾患についてのサイト

スッきりん バイバイ頭痛講座・ファイザ-製薬

頭痛大学 University of Headache