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肝臓

データ・機能

肝臓は人体における最大の臓器で、消化を助ける胆汁の生産、吸収した栄養分の同化・解毒・貯蔵など、生命の維持に不可欠な多種多様な機能をもっています。その仕組は「化学工場」という表現があてはまります。肝細胞に送り込まれる血液は1分間に約1100mlで、肝臓内に蓄えられている血液は、体全体の10%以上にも相当します。肝臓が暗褐色をしているのは、このように血液を含んだ臓器だからです。
また、肝臓に関する疾患についてはこちらで紹介していますので、併せてご覧ください。

肝臓の参考データ

大きさ 長径約25cm、短径約15cm、厚さ約7cm
重さ 約1,200~1,400g
送り込まれる血液量 1分間に約1,000~1,800ml
(体全体の10%に相当)
位置 横隔膜のすぐ下に密接し、右上腹部のほとんどを占め、一部左上腹部にもおよぶ。肝臓の高さは体位や呼吸運動によっても変化し、静呼吸時でも約2~3cmの移動を示す。

肝臓の構造

肝鎌状間膜を境に、右葉と左葉の2つに分かれている。左葉は全体の3分の1から6分の1程度で小さい。顕微鏡的にみると、肝臓はおびただしい数の肝小葉という単位が集まったものである。肝小葉は約0.7~2mm3のごく小さな六角錐の形をし、たがいに幾何学的に密着している。

肝臓の働き

肝臓の主な働きは、

a. さまざまな栄養素をブドウ糖に換えて補給する
b. 豊富な血管中に血液を備蓄し、必要に応じて補給する
c. 血液凝固因子をつくり、凝血溶解に関連した物質を作る
d. アルブミンや生体防御に関係する物質をつくる
e. 過剰なコレステロールやビリルビンを排泄する
f. コレステロールを合成し、ビタミンを加える
g. 不要になった成分を処理する
h. 有害物質を無毒化する

など、実に多岐に渡っています。現在、解っているものだけでも、約500種類の働きがあり、それには、酵素が大きく関わっています。手作業で行えば何年もかかるだろうといわれる化学反応を、肝臓では酵素のおかげでわずかな時間で行うことができます。

肝臓に関する疾患について